この記事は openSUSE Advent Calendar 2024 および あらた界隈 Advent Calendar 2024 の11日目の記事です。
まえがき
皆さんご無沙汰しております。
今更になってしまいましたが、11月の頭に東京で開催された openSUSE.Asia Summit 2024 Tokyo に学生ボランティアとして参加したこと、その思い出について書きます。
- なお、今回のイベントの参加に関しまして openSUSE TSP (Travel Support Program) による旅費の補助を利用させていただいております。
openSUSE.Asia Summit とは?
Linux のディストリビューションのひとつである、openSUSE のユーザおよび貢献者、そしてFLOSS熱狂者のための年次カンファレンスです。
- 2014年(北京開催)から毎年開催されている(COVID-19の時期はできない期間もあった)
- openSUSE のユーザや関係者の他にも、さまざまなコミュニティが集う大きなカンファレンス
- 今回で7年ぶりの日本開催
- 日本openSUSE ユーザ会をはじめとした日本の(FL)OSSコミュニティの人々の協力によって運営
発表形式のトークセッション、展示形式のブース、Day1の締めにはディナーパーティー(懇親会)、全体の締めにはLTと、盛りだくさんの要素で構成された、2日間のイベントでした。
Day0
前日準備と移動の日でした。
函館空港から昼前ごろの飛行機に乗り、羽田に昼すぎごろに到着しました。
なにげに一人で飛行機に乗るというのは初めてだったので緊張しました。
そこから電車に乗り京急蒲田駅へ到着。ぶらぶらしてたら駅前にミニ狸小路的なアーケードがあってテンションアガりました。
そこからユーザ会の修太さん & 谷口さんと合流し、某所へコーヒーメーカーをピックアップしに向かいました。
コーヒーメーカーをピックアップしたら、そのまま(新橋のホテルに荷物を置きつつ)会場の麻生台ヒルズへ。
そこから他のユーザ会のメンバとも合流し、会場へ入りました。
そして会場設営。
私は他の学生ボランティアの皆さんと一緒にネームプレートを準備したりいろいろやっていたような気がします。
そしてなんやかんややってDay0は終了。
新橋までは歩いて帰れる距離なので歩いて戻り、明日に備えてフロに入って寝ました。
- ちなみに、私が宿泊したホテルはビジホなのに最上階に露天風呂付きの小浴場があったり、ドリンクバーがあったりと とても良いところでしたw
Day1
いよいよアジアサミットの初日です。
当日朝、わくわくしながら出発し、徒歩でまた会場へ向かいました。
- 土曜なのに学生(中高生)が制服着てそこらじゅう歩いててアウェー感が半端なかった…
朝には来場した方の対応だったりなんなりをしていた気がします。
- アジアサミットということで、アジアの各国から人が来るわけですが、来た人が日本人なのか外国人なのかわからないことがあって焦りましたwww
いろいろやってる間に時間は過ぎ、いよいよオープニングが始まり、openSUSE.Asia Summit 2024 Tokyo の開幕です!!!
私は学生ボランティアとして、セッションルームでタイムキーパーをやったりしていました。
以下はDay1において私が見たセッションの簡単なまとめ的なものです。
- 英語がききとれなかった or 技術がむずかしくて理解できなかったもの に関しては間違いがあるかもしれませんが、ご了承ください。
What is openSUSE
- SLE16/Leap16 からCockpitで全部よしなにできるようになってくる
- openSUSEは、 SLE(SUSE) → openSUSE ← Community のように成りたっている
A simple quick introduction to packaging for openSUSE
- openSUSE Build Service を使ってrpmパッケージングする方法(デモつき)
- 以前SwayFXの最新バージョンをパッケージングしたくて使ったがうまくいかなかったのでやりなおしたい
Edge IoT system with NVIDIA Jetson managed by Rancher
- NVIDIA Jetson K8sクラスタ をRancherでよしなにする話
Who broke the build? -- Using Kuttl to improve E2E testing and release faster
- Kuttl (KUbernetes Test Tool) を使っていい感じにK8sを使う話
The next critical vulnerability of the automotive industry (and beyond)
- サプライチェーン攻撃などで侵入された実例や、Swiss Cheese Modelの紹介などセキュリティの話題
以上が私がDay1で見たセッションでした。
いくつかのセッションに関しては、資料がConnpassに上がってるものもあると思いますので是非ご覧ください。
なお途中にTea Breakタイムがありました。
日本のお菓子を外国の皆さんに食べてもらうというものでした。
意外と甘納豆とかが人気でハエーとなった覚えがあります。
また、ムスリムの方やベジタリアンの方が食べられるものか、どうなのか といった普段考えないような文化のちがいによる問題についても触れるよい機会になりました。
懇親会 / Dinner Party
いろいろあったDay1もセッションを全て終えた後には、懇親会(Dinner Party)が開催されました。
さまざまお酒や日本食のオードブルがテーブルバイキング形式で振る舞われました。(料理の写真撮るの忘れてたア)
(箸を使わなそうな地域の)海外の方も箸を上手に使っていらっしゃって、ホエーーとなりました。
また、BoF(Birds of a feather flock together (類は友を呼ぶ))も開催されており、様々な話題について語らう機会がありました。
私は「Desktop Linux」についてのテーブルに行き、それについて参加者の皆さんと会話しました。
- まあアルコールも入っていたのもあってウェーイwwwて感じでラップトップの見せあいっこ 的なノリでしたwww
なお面白い事実として、みーーーんなThinkpadユーザでしたwww
- しかも私の隣に座っていた方は私の全く同じモデルという…(X13 Gen1 AMD)
- ほかにもPostmarketOS?かなんかでネイティブモバイルLinuxをしている方(中国の方)がいたり、Ambernicか何かの中華ゲーム機で音楽を作っている方(SUSEの方)がいるなど、オタクとして非常に楽しい時間でした。
私と会話してくれた皆様、とても楽しい時間をありがとうございました!
Day1も終了して、また歩いてホテルに戻りフロに入って寝ました。
Day2
Day2の朝はラーメンから始まりました。
ホテルのすぐ近くに中華料理屋があり、朝ラーメンを提供していたので食べてから会場に向かいました。
- 北海道のラーメンと違って(?)味がさっぱりしている印象。
ちなみにDay1では曇っていましたが、この日は会場から東京タワーが見えました!!!
再びタイムキーパーをしつつ展示ブースをまわりつつ、Day2を満喫しました。
- 展示ブースについてもさまざまなジャンルのものがありました。
- 前から気になっていたFortigate 50eにOpenWrtを入れてるやつ
- セガサターンで自作ブートローダを動かしてるやつ
- 各コミュニティや企業のブース
- などなど
- 各ブースをまわってスタンプラリーというのも開催されておりました
- 最後にクジを引いて当たったものは Geeko Magazine のバックナンバーでした(ありがた〜)
見たセッションについては以下のとおりです。
A Introduction to Cockpit
- openSUSEやRHELなどで採用されているWeb管理ツールである、 Cockpitの紹介(デモつき)
Status of CJK language support and activities in LibreOffice 2024
- LibreOffice をCJK環境でよしなにやるためにコミュニティがしている活動/経緯の解説
- 縦書きと横書き混在のとき、文字が重なってしまう 等、具体的な問題点を紹介していた
20th anniversary of Ubuntu and 20 years of Desktop Linux
- Ubuntuの20周年に際して Version 04 → 24で変わったことなどについて
- Ubuntu を(標準)搭載/対応するデバイスいろいろあったよね(EeePC Remix, Netwalkerなど)
- 「400年後にDesktop Linuxのシェアは100%になるので皆さん400年生きましょう」←!?!?
Your own openSUSE MicroOS derivative with the Open Build Service (OBS) and mkosi
- openSUSE MicroOS + 任意のDE + Open Build Service で最強のディストロを作る話
- Immutable であるというところがミソらしい
A way your distro to support Secure Boot
- カーネルコアを改変すると、コミュニティレビューを通過する必要がある(脆弱性とかのアレで)
- Debian系のすでに通ってるやつを逐一確認して(発表者さんはRHEL系のディストリをやってる)
- Microsoft 自身もレビューを通過する必要があるw(Azure Linux)
- なお通過するのに5か月かかっている模様
Making IT Lessons More Fun: Tips and Tricks for Teens
Snake-LongゲームでのIce Breakingの実演をやってた
- "I say snake, you say long!"
ボンバーマン風ゲームを使ってクイズをするなど、いろいろな楽しい授業の手法があるぜー という話
- ちなみにこのボンバーマン風ゲームはクラスのリーダーボードとかもある
Become openSUSE Asia Commmittee
- openSUSE Asia Organization
- 毎年のAsia Summitに向けての活動の紹介
LT Session
Day2の最後にはLTセッションがありました。
- 個人的にはハリスさんの「若い層こそOSS活動をしようぜ」的なノリのLTが学生である自分に刺さりました。
- 次回のAsia Summitはインドでの開催予定ということでした(!)
全ての日程が終了後、片付けをしていろいろやって、新橋の居酒屋で打ち上げをしました。(なお料理の写真はありません泣)
- 懇親会もそうだけど、やっぱり酒をのんでワイワイやるのは楽しいですね〜♨
雑記 & しめくくり
OSS 24 Hokkaido でお誘いを受けてこのイベントを知り、「行きます!」と宣言をしました。
- なお実際「行きます!」と言ったからには行かないとダサいと思ったので行った というのがさいしょの動機ではありました。(ええ…)
ですが、実際参加してみると(FL)OSSのコミュニティ活動というのは、献身する大きな価値があり、広めていきたい & 今後もこういった活動に是非参加したいと感じられる素晴らしいものでした。
国をも跨ぎ、顔も見知らぬ人々と(FL)OSSという共通の話題を通して、拙い英語で喋るという今までにない経験もできました。
また、日本のコミュニティの皆様は非常に親切で、はじめて東京に来た私にとても親切にしてくれました。
この場を借りてあらためて深くお礼申し上げます。
ただの一般コンピュータ大好き大学生が、学生ボランティアを通してこの素晴らしい openSUSE / (FL)OSS コミュニティに貢献できたことを嬉しく思います。
また、北海道という地理的な壁はございますが、自分のできる範囲でいろいろなあれこれに参加したりできたらと思います!